立冬を迎え、これから寒さが厳しくなっていきます。
起きたてにコーヒーを淹れる湯をわかしながら窓を開ける。
朝の空気を感じながら息を吸って、息を吐いて、2、3回呼吸をする。
コーヒーの入ったマグカップを持って窓辺に座り、ブランケットをかぶりながら両手でマグカップを包みこみ庭を眺める。
目の前でか細い緑の植物が少しだけ揺れている、同時に自分の顔にもひんやりと風がわずかに感じる。
近くで野鳥が鳴いている。
少し顔を上げて小川の向こうを見ると、この間まで緑だったはずの木の葉が橙色に色づいて、なんだかその色合いに触れると心まで温まったように思えた。
遠くの梢を観ていると、どこからともなく風が吹いてきて森がざわめきだした。
梢の向こうには、秋から冬に移りゆく青空があって、その上をゆっくりと白い雲が流れていく・・・
すると、夢の中から持ち出したままだった少し重たい思考がゆっくりと去っていくのがわかった。
そのとき、白い雲の隙間から眩しい白い日の光が窓辺に降り注いだ。
刻一刻と変わりつづける自然のうつろいを一緒に感じられているとき、自分は深い喜びを体験する。
馬場