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【4日目~8日目】ヴィパッサナー瞑想センターでの日々③

4日目、「子どもの顔が浮かんで集中できない」と泣く私に、先生は言いました。

 

「偶然にここへ来る人はいないということ、誰もが最良のタイミングで、呼ばれるようにここに来るのです。だから、準備不足と自分を責める必要は無いのです」
「最後の日に、メッター・バーバナという瞑想を教わります。それは愛と慈しみの瞑想です」
「この10日間も、お子さんに対してひどいことをしていると思わないでください。今後一生をかけてお子さんに愛と慈しみを与えられる、それは母親としてとても幸せなことです」

「この10日間も」それは「あの5週間も」を意味しているのではと気付きました。
長期入院で息子にかわいそうなことをした。そう思うことで、娘の出産を手放しに喜べなくて、娘にもかわいそうなことをした。
ずっと、そんな罪悪感を背負って子どもたちに接してきました。
「何が何でも子どもと一緒にいなければ」「良い母親でいなければ」の重圧に押しつぶされて心を病みました。
仕事に、ヨガに没頭する時間をもらえるようになると、私は子どもたちと過ごす時間がつらいと思っているのか?子どもたちを大切にしていないのではないか?と思うようになり、罪悪感が消えることはありませんでした。
でも、離れてみたらこんなにも子どもたちのことばかり考えているのです。
罪の意識ではなくて、ただ愛を持って育てればよかったのに。ずっと、愛はあったのだと気がついて、また涙がこぼれました。
そのことに気付くために、ここに来たのだと思いました。
そしてここへ来て初めて、子ども以外の恩人、夫や師匠、仲間の顔が浮かびました。
「何か頭に浮かんでも、追いかけてはいけない。BGMのように流しておくだけ」なので、色々なことを考えないように努めました。
昼休みにまた駅へ続く道を眺めました。最後までやり遂げようと決意して、瞑想ホールへ向かいました。

 

集中を高める修行を終えて、ヴィパッサナー瞑想を教わり始めました。
はじめ、それはとても心地のよいものでした。すかさずゴエンカ氏から「心地よさに酔いしれてはいけない」と注意が入ります。読まれてる??
段階を追って、このヴィパッサナー瞑想の完成へ向けての指導が行われます。
「懸命に修行しなさい、必ず成功します」何度もゴエンカ氏から声がかかります(録音)。
日を追うごとに、自分の内側の深い部分に入り込んでいくのがわかります。

 

6日目に冷たい雨が降り、青空が見えずに気持ちが塞ぎました。瞑想中にまた子どもたちの顔が浮かんで、涙がこぼれました。
ヨガをしたいと思いました。ヨガのアーサナをやるための充分な場所がないからやらないようにと言われていましたが…見渡す限り場所だらけです(笑)。
目立たないように、ベッドの隙間(40cmくらい…)で立位のポーズを行いました。霧が晴れるようにすっきりしました。
少しだけ後屈のポーズも行いました。だいぶ前向きな気持ちが生まれました。なんとか、持ち越しました。
翌日もまた、ヨガをしました。雨のあがった広大な庭で、テントを乗せる台をお借りして深いバックベンド。人目を盗んで、休み時間にヘッドスタンドも。スッとバランスが整います。

 

7日目の瞑想中、身体の一部に激しい痛みが起こり叫びそうになりました。
「不快な感覚に、嫌悪を抱いてはいけない」また注意が入ります。
かなりの痛みを経験しましたが、この日の夜、また心地よさが訪れて安心しました。
でも、心地よさを求めてはいけないのね。と自分に言い聞かせるほどに、だいぶ学習してきました。

 

毎日、19:00から20:30まで、ゴエンカ氏の講話(録音)を聞きます。
ジョークや面白いたとえ話が盛りだくさんで、飽きません。
毎日「○日目が終わりました」と始まるのですが、8日目が終わったときには「わぁー」と思いました。
あと1日座れば、10日目の朝には沈黙が解かれるのです。きっと、喋っていれば1日なんてあっという間に過ぎる。そうすれば、その翌日には家に帰れるんだ。にわかに、集中力が増してきました。

 

つづく