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タパス(苦行)伊藤英美

2017/11/14

運よく座れた電車の車内。
隣の席に 幼い男の子を抱いた男性が座りにきた。

「おいおい パパさん!
そんなだっこじゃ ボクの靴が私にあたる・・」
一瞬身構えたが 「これもタパス」と身体の緊張を解いた。

膝上いっぱいの荷物を両手で抱え じっと目を閉じ精神統一。
「○○のドトールでも タパス だったなぁ」
「△△でもタパス。あの時どうだったっけ?」
「今日何回目のタパスだろう・・」etc.
心のなかで振り返ること数分。

いつしか 聞こえてくる男の子の声がとても可愛いと思えた。
パパさんも 男の子にしっかり心を向けて話をしている様子が伝わってくる。
そして (多分)窓の外を見ようと 私の方に身をより出してきた男の子の気配に気づき なぜか「抱きしめたい」と思うほどに 愛しさを憶えた自分を感じた。

心のシャッターを降ろしてしまっていたら 男の子の可愛さも、パパの優しさも、そして自分の中にある母性も感じられずに終わっただろう。
("おまえは母性が欠けてる"
昔 言われた一言に傷ついたこともあったけど あるじゃん 私!笑)
そして また自分だけの狭い世界で 窮屈さと自己嫌悪に苛まれただろう。

「タパス」してよかった・・!

試練を与えてくれた神さまに感謝。

英美