Blog


「ヨガの小話」をやめたお話 加藤香耶

2019/11/22

1日3食、バランスの良い食事を取りましょうという提案は素晴らしいと思うのです。
しかしながらその食事法がある人にとって負担になるようなら、無理にそうしなくても良いとも、思うです。

人にはそれぞれ事情がある(というタイトルのアルバムがあったな。真島昌利氏の。)。


以前の私なら

食事は3食とるべきであって、そうできない私は自己管理がなってなかったのです→ヨガの教えに従い、節度のある生活を心がけたらいつでもしっかり食事が取れて健康的な毎日を過ごせるようになりました。

なんて「小話」をしていたかもしれない。

あるいは
人間関係において困ったことがあって、落ち込んでしまった。ヨガの教えに従って〇〇を心がけたら、問題が解決して元気になりました。とか。

常に健康的でなければいけない。元気でなければいけない。
そういう前提で、「小話」をしていました。

だからこそ、元気のない人には憧れられるようなことを言われたし、いつも健康的ですねと声をかけられたりもしました。
元気のない、不健康な自分を見せてはいけないという方針のもと、クラスを作っていたのだから当然です。
(もちろん、自分のクラスの当日に元気がなく不健康であれば、クラスを休む必要があります。)

スタジオに通う方で「身体が固い」「運動が苦手」と訴える方は少なくありません。
それに対して私が問題ありませんよと応えるのは営業トークではないのです。
ヨガを始める前の私は、お腹の力は全部抜けて、腰は見事にカーブして鳩胸状態、まっすぐ立つことはできませんでした。通勤電車の中で5分と立っていられないことに危機感を覚えたのが、ヨガスタジオに通い始めたきっかけでした。
比較したって仕方のないことですが、当時の私よりもボロボロの状態で体験レッスンに来る方はいまだかつて見たことがありません。

そんなボロボロの自分はダメ。健康でなければいけない。その主張が間違っているとは思いません。

だけど今の私には、不健康であったり元気のない自分や他人を否定する心が無いのです。

今日は皆さん元気ないのね!太陽礼拝やって、汗かいて、発散して、テンションあげていきましょう!というレッスンもあるでしょう。

今の私にできることは、元気がないなら、元気のないそのままの自分を味わって、認めて、受けいれましょうか、という提案をすることです。たとえばそんな日のレッスンにおいて、ターゲット・アーサナは内側を見つめる前屈になるかもしれません。
そのレッスンにおいては、元気がなかったり不健康であった自分の話を「こんなことになってしまって」と自虐的に告白する物語は意味をなさない。
行き着いたところは「もう、クラスで話すことがない」

そのことに気づいて、でも以前所属していたスタジオではその方針に従う必要がありました。
間違ってはいないけれど私には合っていないとわかっているのに合っていない話をし続けなければならなくて、辞めると決まってからしばらくは葛藤がありました。思ってもいないことを口にすることは苦痛でした。だけど急に方向転換をしてしまったら、これまで来てくれていた方が驚いてしまう。無難にやり過ごせよ、そう自分に言い聞かせていました。
ある日の帰り道、武蔵小杉で南武線が事故で止まって、2駅歩いて帰ることにしました。とぼとぼと歩いていたら、突然しんどさが爆発しました。

「あなたは、そのままでいい」
それを伝えたいだけなのにねと泣きながら帰りました。

「あなたは、そのままでいい」
それって、サトヴィカに通う方がクラスで得られることは何もないということでしょうか。

こんな私(あなた)はダメだから、ヨガの叡智を活かして素敵な私(あなた)になりましょう。
ヨガを、つけこみ商法のように使ってはいなかったか。
商売ではある。だけど、奥深いヨガの叡智を、都合よく商売道具にしてはいないか?

数ヶ月前に、7年続けてきたクラス冒頭の「ヨガの小話」を辞めますとわざわざ声に出したのは、日常生活における気づきなどの「お話」に方向転換させてほしいという意思表示でした。

「小話を辞めると言っていたのに、辞めてないのでは」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、私は小話をやめて、お話をしています。
弱い自分を叩きのめすサクセス・ストーリーはもう話しません。
私、変わったのです。自虐的な物語が好きだった方には申し訳ないのですが、変わったのです。
そしてこれからもきっと変わり続けます。
心も身体も、変わるというのは、振り幅が大きいほどある意味つらいことです。
電車で5分と立てなかった頃にくらべて、筋力はあまり変わらないけれども筋肉の質は変わりました。
ヨガのトレーニングもきつかったなあ。だけどある程度はきっと必要だったのです。

そのままで良いあなたも、変わる必要があればきっと変わります。

今日はオフの日。雨のchichi cafe(二子玉川・多摩川沿い)で、美味しいもの食べました。
かじきマグロのソテー・きのこのクリームソース。

今日、地元の飲み助さんが、私があと一生で食べられる食事の回数を計算してくれました…笑
多いようで少ないなと思いました。よって、おいしいものだけ食べようとあらためて心に誓いました!

加藤香耶