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SATTViCA ブログ

過敏さを友に生きる 加藤香耶

私はどうやら、買い物が苦手なようです。
洋服は好きだし、雑貨も好きだし、だけど百貨店やショッピングモールで買い物をしようとするとわけがわからなくなってしまう。
情報量が多い場所に行くと混乱してしまいます。誰もが「これがオススメ」と言ってくる。すると全部が、良く見える。ポジティブなようで、主体性がない。
本当の私はどこにいるんだろう?私の本心は??

買い物は、勝手知ったる「スーパークリシマ」が限界。100円ショップやドラッグストアでさえくらくらしてしまうていたらく。
食材は東都生協で注文するのが安心。

 

娘を、観光地鎌倉に連れて行った時のこと。
雑踏の中で「あれも見たい、これも見たい」となっている娘をあちこち案内しながら、人の多さに辟易してだんだんと私の血の気が引いてきて、ちょっと休憩…
喫茶店に入ってなにかこう、心が落ち着くものを…と、コーヒーを注文。
そのあと、16時間眠れず朝を迎えてしまいました。カフェインにも過敏です。

 

そんな状態なので「これ」と決めたらそれをネット通販で買うのがここ10年以上の掟。
洋服の場合は流行り廃りがあるので、なんとなくの勘で選んで失敗することも。
日用品や化粧品は、一度決めたら変える必要が無いので楽です。

 

そこで、久しぶりにブランドものの口紅を買いました。
普段使っているファウンデーションや眉墨は資生堂の何か、その辺で買えるものです。

 

口紅が良いものであるだけで、なんとなくその日のメイクが締まるように思うのです。
だけどここ2年のマスク生活では口紅にお金をかける気にならず、いわゆる「プチプラ」のものでごまかしていました。
食事に出かけた時だけ、マスクを外す前にサッと塗る。だけど安いものは安いなりで、食事が終わると全部落ちている…(笑)
そしてまた塗り直す。

 

今、少しずつマスクをはずしても良い雰囲気になったことも後押しとなって、30代前半から愛用しているシャネルの「ココフラッシュ」のお気に入りの色をネットで購入。
数年前に買った雑誌にその色が「この1本で大人メイクはどうにかなる」みたいに書かれていたことも自信になりました(単純)。

 

誰とでも分け隔てなく喋れる、みたいに思われる私ですが
そうでもなくって、ある程度私を信頼してスタジオに来てくださる方にしか心を開けないなら、結構狭いですよ、心…

 

過敏さを友として、生き抜いてきました。
ドラマや映画で、流血シーンも暴力シーンも、1秒たりとて観ていられません。冗談ではなくて、本当に息ができなくなってしまいます。

 

そんな繊細さではこの世を生きていけないよ、鈍感力が大事!というようなことは、色々な人から、何度も言われてきました。
だけどどんなに年を取っても鈍感力は手に入らない。エアコンの音、時計の針の音、外から聞こえる車の音に心臓がバクバクする。
年を取ったらいろんなことがどうでも良くなって楽になるわよと言われたこともある、でもその人がそう言ってくれた年齢もとっくに追い越してしまった。

 

私は外から見られるほどの精神的タフネスを持ち合わせていない。
だけど身体は見た目より頑丈で、総合してタフに見られるから、家族や周りの人からの過剰な要望にもある程度しっかり応えてきた、これからはもう、それもできる限りやめにしよう。

 

等身大の自分で生きることを誓った、5月の新月です。

 

香耶

 

シャネルのココフラッシュ#56